
夜勤のたびに体が重くなり、帰宅しても眠れない。そんな状態が続いたとき、私は「働き方を変えないと長く続けられない」と感じました。とはいえ、転職は怖いものです。人間関係が良い職場に当たるか、給与は下がらないか、未経験の分野でやっていけるか。この記事では、私が転職を決めてから入職後に落ち着くまでの流れを、できるだけ具体的にまとめます。これから転職を考える方が、失敗を避けるためのヒントになればうれしいです。
転職を考えたきっかけ:限界サインに気づいた瞬間
当時の私は急性期病棟で働いていました。忙しさはやりがいでもありましたが、慢性的な人手不足で残業が増え、夜勤明けも記録に追われる日々。休みの日は寝て終わり、趣味や友人との予定も減っていきました。決定打になったのは、患者さんに対して「もっと丁寧に関わりたいのに時間がない」と悔しくなったことです。ミスをしないよう必死でも、心の余裕が削れていく感覚がありました。
一方で、すぐに辞めるのも現実的ではありません。生活費、ボーナス、次の職場が決まるまでの不安。そこで私は、まず「辞めるかどうか」ではなく、「何がつらいのか」を整理しました。夜勤回数、勤務間インターバル、委員会や係の負担、教育体制、人間関係。紙に書き出すと、問題が漠然とした不満ではなく、改善したい条件として見えるようになりました。ここが、転職活動のスタートでした。
情報収集と転職活動の進め方:焦らず土台を作る
転職活動は、勢いで応募すると後悔しやすいです。私はまず「希望条件の優先順位」を決めました。絶対に譲れないのは、夜勤回数を減らすことと、教育体制が整っていること。次に、通勤時間と給与。最後に、病院の規模や診療科などのこだわりです。これを決めておくと、求人を見たときに迷いが減ります。加えて、転職時期も大切で、今の疲労度と貯金、引き継ぎの負担を考えながら「無理のないスケジュール」を組むのがポイントでした。
転職サイト・エージェントを使って情報の質を上げる
最初は求人サイトを眺めるだけでしたが、情報が少なくて判断できませんでした。そこで転職エージェントに登録し、職場の雰囲気や離職率、配属の傾向など「求人票に載らない話」を聞きました。担当者が合わない場合は変更もできますし、複数社を併用して比較すると偏りが減ります。私は、面談の段階で「夜勤の回数」「残業の実態」「教育担当の仕組み」を具体的に質問し、曖昧な返答の職場は候補から外しました。
応募・面接で失敗しないコツ:質問を準備して主導権を持つ
面接は、評価される場でもありますが、こちらが見極める場でもあります。私は事前に質問リストを作り、面接官の回答をメモしました。例えば、看護方式、記録の方法、休暇の取りやすさ、急な欠勤のフォロー体制、プリセプター期間など。さらに、見学ではナースステーションの空気感を観察しました。声かけがあるか、忙しい中でも新人に目が向いているか。こうした小さな点が、入職後の安心感につながります。
職場選びで見たポイント:条件より「続けられる仕組み」
転職先を選ぶとき、つい給与や休日数に目が行きます。ただ、私が一番重視してよかったのは「続けられる仕組みがあるか」でした。具体的には、教育と相談の導線、業務の標準化、休みやすさの文化です。面接で良いことを言われても、現場が回っていないと結局しわ寄せがきます。
私がチェックしたポイントは次の通りです。
・夜勤回数とシフト作成のルール(希望がどれだけ通るか)
・残業の実態(記録時間を含む)と残業申請のしやすさ
・教育体制(プリセプター、ラダー、研修の頻度)
・人員配置と受け持ち人数の目安
・他職種連携のしやすさ(医師やリハとの関係)
・有給の取得率と、取りにくい雰囲気がないか
結果的に私は、急性期から回復期寄りの病棟へ転職しました。忙しさがゼロになるわけではありませんが、業務の流れが整っていて、困ったときに相談できる先輩がいる。これだけで、毎日の負担感がかなり変わりました。
入職後に感じたギャップと乗り越え方:想定外は必ず起きる
転職してすぐは「思っていたより覚えることが多い」と感じました。病院が変わればルールも物品も違います。記録の書き方、略語、処置の手順、医師の指示の出し方まで、細部が変わるので戸惑います。私は最初の1か月は、家に帰ってからも頭の中が仕事でいっぱいでした。
ただ、ここで無理をすると息切れします。私が意識したのは、完璧を目指さず「安全に、確実に、ゆっくり」積み上げることです。分からないことはその場で確認し、メモを一冊にまとめました。焦って自己流にすると事故につながるので、遠回りでも確認を優先しました。
また、人間関係は「最初に頑張りすぎない」のがコツでした。気を遣いすぎると疲れますし、無理に馴染もうとすると空回りします。挨拶、報連相、感謝を丁寧に続けるだけでも信頼は積み上がります。私は、先輩に教えてもらったらその日のうちに「助かりました」と一言伝えるようにしていました。小さな積み重ねが、相談しやすい関係を作ってくれました。
これから転職する看護師へ:体験談からのチェックリスト
転職は「逃げ」ではなく、働き方を整えるための選択肢です。ただし、勢いだけで動くとミスマッチが起きやすいので、最低限の準備が大事だと感じました。最後に、私がやってよかったことをチェックリストにします。
・つらい原因を言語化し、希望条件の優先順位を決める
・求人票の条件だけで判断せず、現場の実態を聞く
・面接は質問を準備し、見学で雰囲気を確認する
・入職後は完璧主義を手放し、安全第一で習得する
・相談できる人(職場内外)を確保しておく
もし今、「このまま続けるのがしんどい」と感じているなら、まずは情報収集からで構いません。転職を決める前に、今の職場で改善できることが見つかる場合もありますし、比較することで自分の価値観も整理できます。あなたが看護師として長く働ける環境に近づくために、この体験談が少しでも役に立てばうれしいです。
さらに、退職の伝え方とスケジュールも早めに考えると安心です。私は「内定→条件確認→入職日確定→退職日調整」の順で動きました。退職は直属の上司に最初に伝え、引き継ぎの期限を逆算して準備します。感情的になりやすい場面ですが、「体調と今後のキャリアを考えて決めました」と淡々と伝えると揉めにくいです。円満に辞められると、次の職場でも気持ちよくスタートできます。
